大人の発達障害者とその周りについて。3
昨日中途半端で更新したもの大人の発達障害のアレコレについて、続きを書きます。
一言で大人の発達障害といっても百人百様で、その特徴は多岐にわたります。それをふまえた上で、
前回書いた注意書きをもう一度のせておきます。
今回も発達障害と言う言葉を使わせていただきますが、ASD(自閉症スペクトラム)*1ADHD*2、LD*3を持つ方の総称としての意味で使用します。
まとめるにあたって、わたし自身の経験を元に書かせていただきましたが、幾分表現が上段からの発言とも捉えられるものになってしまったところもあります。又、発達障害者よりの視点で書かせていただいたので、多くの方には不快な事もあると思います。申し訳ございません。
↓ この記事の続きです。
大人の発達障害とその周りについて。2 - ファンタジー頭へようこそ!
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支援を任せられる人=支援者
先に職場について書きましたが、成人になってから発達障害と診断を受けた方のほとんどが二次障害で苦しんだ結果、発達障害が判明したと言う方だと思います。
つまりは、仕事どころじゃない状態の方が多いということ。
一言で支援者といってもその言葉だけでは広すぎます。
支援者の焦点を絞って、そこにしっかりと頼っていくことが大切です。
要するに利害関係がはっきりしているところがわかりやすいと思います。
当事者にとっての地雷は、理解しているふり(あるいは理解していると思い込んでいる)をした支援者です。
ボランティアの人には要注意です。
(決してすべてのボランティアさんがそうではないのですが、多い様な気がします)
診断を受けた直後の不安定な時にはできるだけ避けたほうが良いです。
まずは二次障害を落ち着かせることに専念することです。
焦りがある場合や金銭的に辛い場合は、自立支援費*5や障害者手帳*6の申請をしましょう。
少なくとも金銭的には多少楽になります。
障害者として受容できるかどうかに関ってくるかもしれませんが、ここは単純思考で、自分の今を出来るだけ楽にするためと、割り切れると良いと思います。
診断を受けたらその勢いで、一気に申請まで行ってしまうのも手かもしれません。
かかりつけの病院で色々教えてくれるはずです。
この申請でお世話になるのが保健所です。
保健所の担当に連絡してみましょう。
保健所まで出かけるのもしんどい、話をしたりするのもしんどい、電話などとてもじゃないが出来ない。と言う状態でも、メールや手紙などで相談してみると言う方法もありますし、かかりつけの精神科で相談してみるといい方法が見つかるかもしれません。
勇気を出してまずは一歩。
お医者様もお役所の方もお仕事ですから、丁寧に対応してくれるはずです。
成人しているのなら親の了解などは必要ありません。自分の気持ちしだいです。
手帳などをいただけるようになると、各地域で異なりますが色々な福祉サービスを受けられるようになります。
家事代行や移動支援など時間数は少ないかもしれませんが、利用できるものは利用していくと良いと思います。
ただ家の中に他人が入られるのがどうしても苦手とか、ヘルパーさんと会うこと自体が苦痛だ、となると難しいかもしれませんが、こういった支援をしてくれる事業所とつながりだけは持っておくと、もしものときに安心です。
こういった事業所は就労継続支援を行っているところもあります。
A型B型作業所という言葉を耳にされたことはあるでしょうか?
一般就労に至る前、その準備段階として利用させてもらえるのが魅力だと思います。
一般就労となっても、フルタイムの正社員ではなく、短時間でまずはアルバイト。と言う形でスタートしても良いと思います。
うまくいけばアルバイトだけでも充分生きていくことは可能かもしれません。
何についてもお金は付きまとうのですが、ひとつの方法として、障害年金を申請する方法もあるということを覚えていて損はないと思います。
この年金だけは通る可能性はさほど多くはないのですが、丁寧に進めていけばいただける可能性はあります。
年金が通れば、先に書いたようにアルバイトだけでも何とかやっていけるようになると思います。
こういった色々な制度や仕組みは役所では待っていたら教えてくれません。
教えてくれるのは、医療関係と支援センター、事業所の人などです。
実際に手続きに同行してもらったりもサービスの一環として可能ではあると思います。
途方にくれる前に、支援してくださる方々にどんどん聞いたほうがいいです。
発達障害者にとっての友人
わたしの頭では友人の定義自体をよく理解できていないのですが、ここでは、自分の障害を打ち明けられる程度の知り合い。とします。
自分のことを書きますと、リアルで自分自身の障害を話しているのはほんのわずかな人、5本の指がしっかり余ります。
そう考えると、友人と言うのはものすごく少なくなりますね。
NETが一般化してきたころから、息子の発達障害のことなどで色々な人と顔を知らないけれど、本心が言える。と言う今までにない付き合い方が出来るようになりました。
NETだと自分のことをちゃんと話せるのです。
わたしの場合、NETでの友人のほうがはるかに多い。
いざとなったら何も助けてもらえない。
これはリアルでもNETでもそんなに変わらないんじゃないかと思います。
顔を見て相談できたりするよりも、NETで会話をしていたほうが相談しやすいと言うことはあると思います。
こういう感覚は普通の多数派の方にはわかりにくいかもしれませんが、発達障害者とNETの関係は相性がいいと思います。
同じ少数派を探しやすいと言うのも大きな理由かもしれません。リアルでは同じ立場の人を見つけるのは大変ですから。
ただ、同じ少数派同じ発達障害者とばかり友人としてお付き合いしていくのは、どうしても考え方が偏りがちになるので、良いことばかりではありません。
やはり多数派の考えや物の見方などを知るためにも、ほんの少数でいいから普通の範疇の人と接することは大切だと思います。
出来れは友人と呼べるくらいになりたいですが…。
もう一つ、同じ発達障害でも考え方や嗜好が真反対にある人もいます。
そういう方とはなかなか意見が合いませんし、お互いが意地になって自分を主張しようとすると、争いにしかなりません。お互いの良いところを見て仲直りすると言うワザは残念ながら発達障害者のもっとも不得意な分野だと思います。
ケンカしそうな人とは出来るだけ関らない、NETだったらその方の意見は見ない、読まないに徹するほうが、心は安定します。
障害者だから許される?許されない?許すべきじゃない。
という何だか良くわからない暗黙のルールみたいなものがありますね。
同じことをしても、相手によって変化してしまうのですよ、障害者だからと言うくくりにすると。
- 障害があるからこの程度のことは許してあげよう。
- いや、障害があってもこれは許していいの?
- どう考えても障害云々じゃなくてこれは許すべきじゃない!
こんな感じでしょうか?
友人として一番よいなあと思うのは真ん中のちゃんとバランスの取れた考えで接してくれる人じゃないかと思います。
なかなかそんな人いませんけど、そういう出会いはあります。
それはリアルにおいても、NETにおいてもです。
このことは、発達障害児を育てている親御さんにもお伝えしたいこと。
バランスってとても大切です。
自分の考えが偏っていないか、自分の認識が思い込みじゃないか、そういう点をいつも試行錯誤している人とお付き合いできれば、発達障害児も発達障害者も心に安定を持つことが出来るような気がします。
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長くなりました。
大人の発達障害についてはこのほかにも書きたいことがあるので、また機会を見て書いていきます。
よろしくお願いします。
最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。