眠っているときに無意識で行動してしまう「睡眠時髄伴症」と夢を夢と意識できる「明晰夢」のこと
睡眠時の無意識行動について
眠りの不思議、夢の不思議。
いろいろと本を読んだり、同じ病の人(過眠症)の睡眠の話を検索し、調べてみたり、リアルの世界で深い話ができる人に、睡眠と夢のことを聞いてみたりしているのですが、気になることが一向に解決されぬまま。
<眠り>をめぐるミステリー―睡眠の不思議から脳を読み解く (NHK出版新書)
この本を読みました。新書なのでほとんど時間をとられずに読み通すことができました。
睡眠時の無意識行動について、わかりやすい事例があげてあったので、それらについては納得したと同時に、近い将来高齢になったときのことが怖くなってしまいました。
それが、眠りについて考え出したきっかけです。
第1章 眠れない恐怖ー致死性家族性不眠症ー
第2章 睡眠中に”活動”する人々
第3章 夢と狂気
第4章 謎の睡眠病ーナルコレプシーー
第5章 夢か現実か!?-レム睡眠行動障害
第6章 創作に見る<眠り>の謎
少し煽るような目次タイトルなのですが(特に第1章)書かれていることは、しっかりとした医学的科学的な内容だと思います。(一般向けにわかりやすく書かれていますが)
現在わかっている睡眠のシステムも図や症例(少し極端な、だからわかりやすい)で紹介されています。
作者は櫻井武医学博士、覚醒を制御する脳内物質「オレキシン」を発見された方です。
わたしにとって、詳しく知りたかったのが第2章と第5章。
つまり睡眠中の無意識行動。
第2章 睡眠中に”活動”する人々は、ノンレム睡眠(脳が休んでいる状態)時に無意識に動いてしまう状態。いわゆる夢遊病。「ノンレムパラソムニア」。
そしてわたしの症状に当てはまる睡眠中に何かを食べてしまう、「睡眠関連摂食障害」もこれにあてはまるらしい。
過食症の方は経験されたことが多いのではないでしょうか。
もう一つ、第5章 夢か現実か!?-レム睡眠行動障害。わたしが気になるのはこちらの方。
レム睡眠(脳が活動している状態、夢を見ている時)時の無意識行動。
<眠り>をめぐるミステリー―睡眠の不思議から脳を読み解くによると、50代以上の高齢者の約0.3%罹患しているとのこと。
「レム睡眠行動障害」夢の内容を実際に行動してしまう。
耳慣れたところだと「寝言」「うなされ」それが高じて病的な状態になると、夢でボールを蹴ったら、実際に足を蹴り上げていて、ベッドの枠で骨折してしまった。などといったレム睡眠行動障害となるそうです。
少し引用させていただきます。
レム睡眠中は脊髄に向けて運動神経を麻痺させる信号が送られているわけではあるが、これは、「身体をリラックスさせて休めるため」ではなく、むしろ、脳のメンテナンスのために、睡眠中に脳を再起動する必要があり、そのときに身体が動かないようにからだを麻痺させる必要があるため、と考えた方がいい。
<眠り>をめぐるミステリー―睡眠の不思議から脳を読み解く第5章 夢か現実か P165
健康な方はここに書かれているように、レム睡眠中は「骨格筋の麻痺」の状態にあるので、寝ながら暴れるといったことはありません。
このレム睡眠行動障害は、第2章 睡眠中に”活動”する人々で書かれている「ノンレムパラソムニア」とはまったく違うメカニズムから起きる別の疾患とのこと、自覚症状として夢で見ている行動をそのままうつしてしまうことがあるわたしにとって、じゅうぶん混乱するきっかけとなったのです。
(自覚症状としては、寝言、歯ぎしり、泣いたり、笑ったりしてしまう程度です)
睡眠外来の主治医にきいてみました
先日、二ヶ月に一度の睡眠外来の診察日でしたので、ふだんは日ごろの調子などをお話していたのですが、思い切って睡眠中の謎をきいてみました。
- 睡眠中に無意識にものを食べてしまう (気がつくと手にパンを握り締めてベッドの中がパンくずだらけ…)
- 睡眠中に寝言、歯ぎしりが激しい
- 夢をよく見るせいか、夢の中の行動で感情がからだに出てしまう (泣いたり笑ったり)
ものを食べてしまうことについては、過食があるのですね。と、いかにも淡々とおっしゃり、わたしが飲んでいる薬を確認なさっていました。
夢について話をしているときに、わたしの夢がそのほとんどが明晰夢だと言うことをお話したら、何故か主治医、とっても興味深そうに話を促してくださって、わたしの夢が五感を伴なうこと、その五感の中に「痛み」や「物の味がわかる」こと、それが子どものときからあること、そして、わたしの解離性障害についても、あれこれたずねてくださいました。
そして、一瞬耳を疑ったのですが、
「体外離脱」したことはありますか?
と聞かれたので、その言葉の意味を考えるのに時間がかかったのですが、「ないと思います」と答えておきました。
どういう意味なのでしょうか????
睡眠科学の世界で、明晰夢や解離の症状、五感のある夢、そして体外離脱(もしかしたら離人感?のことをおっしゃられたのかも)これらの症状について研究されはじめているのでしょうか?
もっと詳しく主治医に聞きたいところだったのですが、上手に聞き取りをされたというだけで、それらの詳しい内容までは教えていただけませんでしたが、
また夢の話を聞かせてくださいとおっしゃっていたので、次回の診察のときに少しまとめてもっていこうかと思っています。
そういえば、解離性障害と睡眠時の無意識行動について、上記にリンクさせていただいたブログ記事でその共通性を知り、そのことについてもない頭で賢明に考えていたのを思い出しました。(最近のことなのに忘れすぎです><)
こちらのブログでそのことにもふれていました。
かなり脱線してしまいました。
結局、睡眠時髄伴症について伺うことはできませんでした
自分で怖がっている、睡眠時髄伴症、その中でもレム睡眠行動障害。
何せ夢の中の行動を現実にうつしてしまうのですからたちが悪すぎです。
この病気の心配の話も、次回の診察に聞き忘れないように、夢についてのまとめにいっしょにメモしておこうと思います。
なんだか、今現在困っている症状があるのに、将来のことを心配するなんて贅沢と言うか、心配しすぎというか、なんと表現したらよいのでしょう。
いまもっている、自分の中にある空白の時間。
解離性健忘なのか、寝てしまっているのか(もし寝ていたとしたら、寝ながら行動していると言うわけで)いずれにしても、その空白の時間はわたしがわたしでなくなる時間なのです。
この感覚がもっとひどくなることを考えると、ものすごい恐怖なのです。
だから、バカみたいに認知症になったときのことを心配しているのですけど。
やはり、この空白の時間「健忘」について、もっとはっきりするように考えていったほうが良いのかもしれません。
眠っているときの行動。特に夢を見ている時の行動は怖いです。
いくら明晰夢だからと言って、自由に制御できるわけではありませんし、反対に夢だからこそできることをあえて選んで夢の中で行動してしまうこともあります。
- 作者: J・アラン・ホブソン,池谷裕二,池谷香
- 出版社/メーカー: 朝日出版社
- 発売日: 2007/07/18
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夢に迷う脳(このタイトルとても気に入りました)
子どものころから、夢に逃げ込むのが好きですきさえあれば眠っていました。
眠りは究極の現実逃避だと思います。
それでも夢を見ることで、現実に生きるエネルギーを蓄えているんだと思うと(脳科学的にはもっとふさわしい言葉がありますが)このままでもいいのかなと思います 。
先にも書いたように、私の夢はそのほとんどが明晰夢。
特別に意識しなくてもコレは夢だとはっきりわかっていて、悪夢などでつらいときは何とか逃げる展開にもっていくとか、強制的に場面チェンジをするとかで意識的に使うことはありますが、ほとんどはなすがまま、ただ単に「コレは夢だ~」という感じで、映画でも見ている気分で夢を見ています。
だからリラックスできるというか、現実では味わえないようなことを夢の中で体験できて、それが夢に逃げている感をつのらせてしまうのです。
明晰夢というと、ちょっとスピリチュアル系かと勘違いされそうですが、ちゃんとした睡眠時(レム睡眠)の夢の形の一つとして研究もされています。
ただ、ネットの世界や書籍などでは一つ間違うとスピリチュアルの道まっしぐらなんて感じの情報が多いですので、興味をもたれている方はじゅうぶんお気をつけください。
夢に迷う脳。
明晰夢も夢の中のリアル感(五感がある)も、寝ているときに無意識で動いてしまうのも、みな活動したり休んだりしている脳の問題。
ちょっと普通(健康的な人)とずれるだけで、不眠に悩まされたり、過眠症があったり。
睡眠医療もここ十年でとても進歩してきました。
わたしが悩んでいる睡眠時の問題など、あと数年たてばもしかしたらみな原因がつかめるかもしれません。
お薬もどんどん新しいものが開発されていますし。
まああまり悩まずにいて、その上で自分の症状をきちんと把握しておくのが大切なのかもしれませんね。
次回二ヵ月後、睡眠の専門医である主治医にいろいろと聞いてきます。そしたらまた夢の話を記事にしたいと思います。
もし、何かご質問やご意見ありましたら、ぜひ教えていただけるとうれしいです。
最後までお付き合いくださいましてありがとうございました。