十年前にも健忘で悩んでいたらしい…
ほとんど記憶のない女
古いブログを整理していたら、こんな記事を発見してしまいました。
2005年11月22日のもの。
この当時は、息子の発達障害の診断を受けて2年弱くらいのころ。
診断のショックもずいぶんと落ち着いて、息子は小児喘息という病気を抱えてはいるものの、対外的には順調に成長しているころで、わたしも、フルタイムで仕事をしていましたが、精神的にも肉体的にも今よりはかなり丈夫で、特に悩みのない、すっかりのん気モードになっていた時期だったとおもいます。
昔のわたしは、記憶力のよさにけっこう自信を持っていましたので、「記憶」に関しての悩むなどということはないと思い込んでいました。
これ、自分自身を見つめる力が不足していたか、思い込み一直線の人生を歩んできたか、その両方か…というところだと思うのです。
ASDにありがちな思い込みですね。
健忘に関する悩みはここ5年くらいからだと、これまた思い込んでいました。
なので、10年前に軽い感じではありますが「健忘」について何かしらの兆候が記されていて驚きました。
そのころから、すっぽり抜け落ちる「記憶」をちゃんと意識していたんだなあと。
自分の過去を振り返ってみると
精神科の主治医の指導の下、自分の過去のよかったこと辛かったことを時系列に書いたことがあったのですが、そのときはじめて、自分の記憶の偏りに気がついたものと思っていました。
2歳の頃の記憶まであるのに、小学校の頃の記憶が抜け落ちていたり、成人してからの記憶もとてもいい加減なものだったり。
よいことも辛いことも両方とも、消え去っているのですからおかしなものです。
過去の記憶というものは、そのままはっきり残っているものもあれば、何らかの刺激を受けて別の形に上書きされるものも多い。(どちらかというと上書きされるほうが多いのでしょうね)だから、自分の記憶ほどあてにならないものはないのですが。
やっぱりぽっかり抜け落ちる記憶というのは気持ち悪いものです。
解離性健忘とADHDの不注意優勢型のもの忘れの違い
集中力がどんどんなくなって、一番困ったことは「約束事を忘れてしまう」でした。
これは、たぶんADHDによる不注意のもの忘れかと思われます。
同じような困りごととして、
- 約束したことを忘れて他のことをしだす
- 約束事をスケジュールで確認しているにもかかわらずダブルブッキングしてしまう
- 約束した時間を意識しているにもかかわらず、ぎりぎりまで出かけられない
- 約束の時間や曜日を完全に勘違いして行動してしまう
だいたいこんなところでしょうか。
自分ひとりで解決できることがら
- 買い物に行って目的の品を買い忘れて帰ってきてしまう
- 大切なものを忘れて家にとりに帰ることが多い
- なくし物忘れ物失せ物が多い
- 電車など方向を間違えて乗車してしまう
- 降りる駅を間違える
こういうことは、毎日何か起こっています。
こういったことはADHDには多いようですね。
ASDとしての自分とはかなり向き合ってきましたが、ADHDとして捉えるのはまだまだ初心者。へ~~という発見が多いです。
ただ。これはあまり他者にかかわることは少ないことなので、自分の中だけで困っていることなのですが、やはり時間がすっぽりぬける「健忘」はわたしの中でどんどん大きくなっています。
- 数十分から数時間記憶がない。
- さっきまで時計の針が1時をさしていたのに気がついたら3時になっていて予定していたことが何もできなかった。
- 病院を出たのが5時、家に帰ったのが7時。家から病院は徒歩ゆっくり歩いて20分。
- 冷蔵庫を開けると、買った覚えのない商品がならんでいる。
- 朝起きたらパンを片手に握り締めて寝ていた。ベッドの中はパン屑だらけ。
これらのことは、起きているつもりでも寝ていたり、寝ているつもりでも起きていたりだったりなのかもしれません。
特に、夜中に起きている異変は(主に食関係なのですが)わたしの過食が無意識下で行っていることだと思いますし、実際に過食傾向の方にはこういうことが多いと聞いています。
過眠症(特発性過眠症)の診断を受けている身なので、たったまま寝ていたり、歩きながら寝てしまうこともしっかりと経験があります。
だから単に寝てしまっているだけかもしれません。
それとも、解離性健忘なのか、解離性同一性障害なのか…
よく読ませていただいているブログサイト
いつも空が見えるから | 子どもの疲労と発達障害・睡眠障害のブログ
*こちらのブログはサブタイトル「子どもの疲労と発達障害・睡眠障害」このあたりの病気や障害に関することを幅広く捉えて様々な情報を与えてくださっています。書籍(一般書から専門書まで幅広く)やニュースなどの情報を端的にわかりやすく書かれています。情報の量もその質も他に類を見ないすばらしいブログだと思います。
こちらの記事で、最近読んだものにこんな記事が載っていました。
解離性障害は脳の一部だけ眠る睡眠障害かもしれない―覚醒と夢のはざまの考察
作者のYUKIさんの一考察なのですが、わたしにとってはこれこそリアルと思えるほどの考察で、書いてくださったことに感謝してもしきれないくらいの思いでいます。
別ブログでもご紹介させていただいたのですが、こちらでも紹介させていただいて、少しでも同じような症状で悩んでらっしゃる方に届けばと思います。
前文を引用させていただきます。
最近、さまざまな本を読んでいて、漠然と気になっていたことがありました。それは、解離性障害が、ある種の睡眠障害と酷似していることでした。
起きている間に別人格に切り替わる解離性同一性障害と、眠るとともに別の人格のように行動するノンレムパラソムニア。
寝入りばなに入眠時幻覚を見るナルコレプシーと、起きながら幻視を見る解離性障害。
さらには睡眠不足の子どもがADHDに似る多動症状と、解離傾向の強い子どもがやはりADHDに似る反応性愛着障害。
こうしたさまざまな睡眠障害と解離の共通点を探していくうちに、解離性障害とは脳の一部が眠る、ローカルスリープの睡眠障害ではないか?という着想を持ちました。
こうした理論が他にあるのかどうか詳しく知りませんが、冒頭に挙げた解離の構造―私の変容と“むすび”の治療論の柴山雅俊先生の言葉をはじめ、さまざまな専門家の文献が、そのような考えを示唆しているように思います。
この記事では、<眠り>をめぐるミステリー―睡眠の不思議から脳を読み解く (NHK出版)など幾つかの本を参照しつつ、睡眠障害として考える解離のメカニズムを、あくまで個人の推測の範囲内でまとめてみたいと思います。
もうこの前文だけでのめりこんでしまいました。
気になった方、ぜひリンク先のブログ読んで見てください。
わたしと同じようにスッキリする方がいらっしゃったらうれしいことです。
睡眠と解離と発達障害。
この三つはどこかでしっかりと繋がっているように思えてなりません。
生まれ持っての脳の性質。それぞれ別の分野で研究されてきて現在があるわけなのですが、発達障害と睡眠。解離性障害と発達障害。この二つはもうすでに研究されつつあることがらです。さて、睡眠障害と解離の問題。これはいったいどうなのでしょう?どこかで研究されることを期待してしまいます。(現在もしかしたら研究されているかもしれませんし)
発達障害と睡眠障害について書いた記事ですよろしければあわせてご覧ください。
<眠り>をめぐるミステリー―睡眠の不思議から脳を読み解く (NHK出版新書)
- 作者: 櫻井武
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2012/02/08
- メディア: 新書
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ナルコレプシーの研究―知られざる睡眠障害の謎 (Hot‐nonfiction)
- 作者: 本多裕
- 出版社/メーカー: 悠飛社
- 発売日: 2002/11
- メディア: 単行本
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最後までお付き合いくださいましてありがとうございます。